外貨預金が最悪の投資商品である理由

外貨預金は、数ある投資商品の中でもっとも最悪の投資商品であるといえるでしょう。
その理由は税務上の扱いが圧倒的に不利だからです(個人を前提としています)。
一つ目の理由・・利子割
まず第一に利息にも税金がかかるのですが、この税金は利子割といい、利息が口座に振り込まれたときに源泉税として自動的に20%抜かれます。この源泉税として抜かれた税金は払い損で、返ってくることはありません。つまり自動的に利回りが20%悪化するということです。
また、税金とは異なるのですが円貨を外貨に転換する時に手数料がかかります。この手数料自体は、例えばドルであれば1ドル当たり10銭未満程度とたいした金額ではないのですが、0.1%程度の追加負担にはなるでしょう。
二つ目の理由・・為替差損益の扱い
第二に、外貨預金から為替差益または為替差損が発生するときの扱いが雑所得になってしまうという点です。
雑所得は十種類ある個人の所得の分類の中で最も不利な扱いを受けます。
まず為替差損が出た場合、この損失は切り捨てられて来期以降に繰り越すことができません。もし株やFXで売却損失が出た場合は、当該損失については3年間は繰り越すことが可能です。来期以降に利益が出れば、その利益と相殺することができるので有利です。
一方で為替差益が出た場合、この利益は給与所得等のほかの所得と合算されて課税されることになります(総合課税)。もし、株やFXで売却利益が出た場合は、当該利益については分離課税として一定の利率(約20%)で課税されます。しかしながら、為替差益の雑所得の場合は総合課税なので、他の所得と合算された上で累進課税が適用されてしまいます。もともとの給与所得等が少ない人であれば問題はないのですが、もともと給与などが多いから、外貨預金などの資産運用をしているという人の場合、高い税率が課せられてしまう場合があります。
どうすればいいのか
外貨預金が最悪であるなら、円安対策として外貨投資をしたいのに、どうすればいいのかとお悩みの方は、米国株(外国株)への投資がお勧めです。ただし、個別株はリスクが高いので、S&P500等のインデックスETFへの投資がいいでしょう。
理由の詳細は以下別記事に記載しています。
または、日本円で投資する投資信託だけれども、運用は外貨で行う「世界経済インデックスファンド」や「eMAXIS Slim全世界株式」等がお勧めです。円安対策としての効果を得つつ、低コストでリスクを抑えた分散投資ができるからです。「世界経済インデックスファンド」は、手数料が0.5%くらいで、やや高めではありますが、投資先の半分が債券なので、リスクを抑えたい人には向いています。
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