円をドルに換える手数料を抑える方法
1 円を外貨に換える必要性
昨今の円安は、基本的には世界中のほとんどの国が金融引き締め(金利の引き上げ)をやっているのに対して、日本だけがいまだ金融緩和(低金利)を継続していることが主な原因です。金利の安い円より、金利の高いドルで持っていたほうが得だと判断した人が、円を売ってドルにするのは自然な流れです。
日銀の黒田総裁がこの方針を継続するであろうことは明らかです。なぜなら、もし日本で金融引き締めを行えば、たちまち不動産ローンや事業ローンをしている人や企業の金利負担が増加し、不動産の価値の下落、株価の下落に端を発した不景気が来ることが想定されるからです。
現状の金融緩和が継続するという前提に立てば、少なくとも日銀の黒田総裁が変わるまではしばらく円安の流れは続くでしょう。その間、円資産は目減りするので、資産の一部を外貨に変換しておくことが資産防衛上有効かと思います。
2 円→ドルへの交換手数料はいくらか
円をドルに換えるには、主に2つの選択肢があります。
1つ目は、銀行で外貨預金に預け入れること。
2つ目は、証券会社で外貨建ての株式などを購入することです。
1つ目の外貨預金は、円からドルへのスプレッド(=手数料)が安いというメリットがあります。銀行にもよりますが大体1ドルあたり0.06円(6銭)になります。
ただし、外貨預金のデメリットとして、為替差益が雑所得に分類されることが挙げられます。雑所得は最も不利な所得種類です。総合課税に区分されるので、20万円を超えると給与所得等と合算されるので、給与が高い人ほど高い税率が課されます。
2つ目の証券会社の場合、外貨建ての株式(例えば米国株)を購入しようとすると、購入時に円を証券口座に持って入れば、そのまま購入をした時点でその時のレートでドルを購入したことにしてくれます。わざわざ、円→ドルへの換金の手間が要りません。しかし、証券会社でドルを買うことのデメリットとして、スプレッドが高いという点があります。外貨預金のスプレッドは1ドルあたり0.06円(6銭)くらいですが、証券会社だと1ドルあたり0.25円(25銭)になります。1年間運用するとした場合、購入時(円→ドル)で0.25%、購入と売却の往復(円→ドル+ドル→円)で0.5%もの手数料を払うことになります。米国株の年利回りが仮に2%だとしたら、そのうち、0.5%がスプレッドに消えるということです。
また、米国株投資として資産運用すれば、為替差益が発生したとしてもそれは基本的には株式投資に関して発生したものとして譲渡所得になります(雑所得にならない!)。詳細は以下記事をご参照ください。
なお、FXのスプレッドは異常に安いですが、FXのみにしか使えず米国株の購入などに回すことができないので、選択肢としては挙げません。
3 住信SBI銀行とSBI証券の2つを使う
それぞれの方法のメリットを享受できる、おススメの方法は以下です。
「住信SBI銀行でドルの外貨預金を、1ドル0.06円のスプレッドで預け入れ、」
「住信SBI銀行で獲得した外貨を、SBI証券に移管し、」
「SBI証券で、移管された外貨で米国株を買う」
この方法だと、低スプレッドで米国株に投資でき、為替差益が発生しても税務上不利な雑所得を回避できます。一見面倒くさそうな方法かもしれませんが、やってみると意外に簡単ですので、ぜひトライしてみてください。
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