米国株や外貨預金の為替差益の税金は?

1 昨今の円安

 ここ最近(2022年9月ごろ)の円安傾向は著しく、短期間で1ドル144円になりました。年初が1ドル115円だったので、約1ドル約30円程度も円安になっています。

 これだけ円安になると、外貨建て資産から為替差益が発生している人も多いと思われます。

 では、外貨建て資産から生じた為替差益はどの所得に区分されるのでしょうか。納税はどうすればいいのでしょうか。個人を前提に解説します。

 

2 外貨預金から生じた為替差益

 ドル建て預金などの外貨預金から生じた為替差益は、雑所得になります。

なお、為替差益が生じているといっても、日本円に換金しなければ実現したとはいえず、課税はされません。期末に外貨で保有したままなら課税されません。為替差益のうち、雑所得になるものは実際に円に換算したものだけです。

 雑所得は年20万円未満なら所得税の確定申告不要ですが、副業などが原因で他の所得で確定申告をしているのなら、20万円未満でも申告が必要です。

 もし、100ドルの外貨預金があり、為替が120円/ドル→140円/ドルになった場合は以下のようになります。2,000円部分が雑所得になります。

3 米国株(外国株)から生じた為替差益

 まず、大前提として仮に為替差益が出ていたとしても、米国株を売却していないなら為替差益については実現していないと考えられ、課税されません

 米国株を売却した場合は、米国株から生じた為替差益(取得時の為替レートと売却時の為替レートの差額分)については、証券会社での特定口座(普通は特定口座です)内で自動計算し、売却益と一緒に譲渡所得として源泉徴収されます。為替差益部分も源泉徴収されますので、特に意識しなくても勝手に納税されます。また、証券会社が作成する取引報告書もその前提で損益を計算して作成してくれます。

 要するに、特に売却益と為替差益部分を区分する必要はありません。2つをトータルして譲渡所得としてみなされます。下図(100ドルの米国株が110ドルになったうえ、為替が120円/ドル→140円/ドルになった場合)でいえば、譲渡所得になる部分は3,400円(=2,000円+200円+1,200円)となります。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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