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マイクロ法人のメリット2:サラリーマンの雑所得レベルの副業の損失でも、法人化すれば法人の他の収益と相殺ができる
サラリーマンの副業は税務上冷遇されている
個人の所得はその性質に応じて10種類に分かれています。その中でも、副業による収入が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは判断基準が曖昧で分かりにくいところです。
事業所得とは、文字通り事業からの所得です。雑所得とは、10種類ある所得のいずれにも該当しない、いわば「その他所得」に該当するものです。
サラリーマンの副業が事業所得になるには意外とハードルが高く、給与収入との割合、副業に投入した時間・費用・設備等を総合的に判断するというのが、一応のルールになっています。数値基準等はありません。サラリーマンの副業収入は一見すると事業所得に該当しそうですが、過去の判例等から、多くのケースが雑所得に該当するとされています。よほど本気で事業へ投資・広告等をしたり、労力を投下しない限りは通常は雑所得に分類されてしまうのです。
そして、副業が雑所得とされてしまうと、事業所得だったら得られたメリットがなくなってしまいます。具体的には以下のように、(1)損益通算(2)損失の繰越が出来ません。
所得の種類 | (1)他の所得と損益の通算(相殺) | (2)損失の繰越 |
事業所得 | できる | できる(3年) |
雑所得 | できない | できない |
雑所得なら、損益通算(相殺)はできない
「他の所得と損益通算(相殺)」とはどういうことかというと、例えば、給与所得が1000万円だった場合、事業所得がマイナス100万円だったら、これを相殺出来るということです。
副業で損失が出ていても、その損失は給与所得と相殺出来ません。
具体的に数値例で比較してみると以下のようになります。サラリーマンとしての給与額が年700万円に対して、副業のYouTuber収入が年5万円、経費が年35万円だったとします。
上記の通り、YouTuber事業が雑所得になると、年間で9万円分税金が高くなります。新しく始めた事業というものは最初の内は経費ばかりかかって、売上が殆ど上がらず事業として成立しないことが多いです。にもかかわらず、税金まで負担が重くなるのでは事業を継続することすら厳しくなるでしょう。
これが、サラリーマンが副業を個人事業として行うことの最大のリスクです。そして、このリスクを解消することができるのが、マイクロ法人です。マイクロ法人として副業をすれば、そもそも「その副業が事業所得か雑所得か?」という判断をする必要がなく、法人の事業から発生した損失は原則全てその法人の収益と相殺できます。なぜなら、法人の所得は個人の所得のように10種類に分類されておらず、全て1つの所得として扱うからです。要するに、法人の場合初めから全ての所得が損益通算(相殺)される前提になっているのです。 ただし、マイクロ法人の副業の損失を「マイクロ法人の他の収益と」相殺が可能なだけで、サラリーマンの給与所得との相殺は出来ないことに注意してください。相殺可能なのは、例えば法人で同時に株式を保有した場合に発生した配当金の利益や売却益等です。
雑所得なら、損失の繰越はできない
しかも、副業が雑所得なら損失の繰越ができません。「損失の繰越」とは、損失を来期に持ち越して、もし来期以降にプラスの所得が発生したら、過去の損失と相殺して所得を減らすことを言います。雑所得だと損失繰越も出来ないので、もし損益通算出来なかったら救済手段はありません。
しかし、法人として副業をすれば、損失の繰越期間は10年あります。なので、事業の開始初期に損失が発生しやすく、利益が出るまでに時間がかかる事業の場合は法人化した方が有利と言えます。
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