せどりを法人化するのは、いくらくらい売上・利益が出てからか

モノを安く仕入れて、高く販売し、差額の利益を得るせどり。メルカリやアマゾン等のおかげで誰でも参入しやすくなり、一般化しました。

せどりを行う人、せどらーの中には副業でやっている人もいれば、本業でやっている人もいます。いずれにしても、せどり事業が好調で利益が数百万円にのぼる人もいるのではないでしょうか。

しかし、ある程度利益が出てくると税金が高いことが気になります。「税金対策のために法人化している仲間がいるという話も聞く」という方もいるでしょう。 今回はそのようなせどらーが、このまま個人で続けるべきか、それとも法人化するべきかの判断基準を税理士が解説します。

個人と法人の税率の違い

まず、法人化すべきかの判断基準は「売上高」ではなく「利益(所得)」です。売上はそのまま販売した額ですが、利益はそこから仕入値と各種経費を引いたものです。ちなみに、税法上は利益のことを所得といいます(厳密には、完全に「利益」=「所得」ではないですが、ほぼこの理解でOKです)。

 なぜ、売上ではなく利益で判断するべきかとうと、法律上、税率は売上を基準に決定されず、利益を基準に設定されているからです。利益が大きいほど税率も高くなります。

 以下のグラフは、個人と法人の税率の違いをグラフ化したものです。ここからわかることは、利益(所得)が330万円を超えると、個人の税率が一気に上がるという点です。

本業せどらーの場合

このため、「個人事業のせどりの利益(所得)が300万円あたりから、法人化を検討すべき」と一般的には言われています。しかし、これは注意が必要です。なぜなら、法人に貯まった利益は役員報酬という形で個人に還元するわけですが、法人化してしまうとこの時に社会保険料が追加で発生してしまうからです。法人が役員報酬を払うと、払った法人はその約15%の社会保険料を国に納付しなければならないという決まりがあるのです。法人化することで、税金は安くなるが、社会保険料が高くなるという関係にあるのです。

 そして、この法人負担の社会保険料の発生を考慮すれば、「個人事業のせどりの利益が600万円くらいからが、法人化を検討すべき」というのが本当の判断基準値です。そのため、利益600万円を実現する売上高となると、かなりの額です。もし利益率が30%なら、売上は2,000万円にものぼります。簡単には法人化すべきではないことが分かりますね。

サラリーマン副業せどらーの場合

 なお、上記はあくまでせどらーが副業ではなく本業としてせどりをやっていた場合の話です。せどらーの中には、普段はサラリーマンをやりながら、副業としてせどりをやっている人もいると思います。そのような副業せどらーは、利益(所得)600万円を判断基準としてはいけません。副業の利益が約2,000万円はないと法人化するメリットが殆どないと言っていいでしょう。もちろん、法人化することで他の節税メリットがあるので、それらを加味するなら利益2,000万円未満でも法人化してOKです。

まとめ

法人化の判断基準をまとめると以下になります。社会保険料を考えると、意外とハードルは低くないですね。

 法人化を検討すべき利益(所得)備考
本業せどらー600万円くらい他の節税策を使うなら利益が600万円未満でも可
サラリーマン 副業せどらー2,000万円くらい他の節税策を使うなら利益が2,000万円未満でも可

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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