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サラリーマンが副業をマイクロ法人にすることの是非
副業サラリーマンがマイクロ法人を作るメリット
そもそも大前提として、サラリーマンの副業収入は10種類ある所得税上の所得のうち「雑所得」になるのが原則です(下表参照)。雑所得になると、雑所得の損失は他の所得(給与所得等)との通算(相殺)ができないだけでなく、損失の繰越も出来ません。確定申告の際に副業の損失を給与所得と相殺している方は注意が必要です。副業を個人事業主でやっていると、原則として上記のような弊害が生じるのですが、法人化すればこのような弊害が生じません。これが副業をマイクロ法人化するメリットです。
No. | 所得の種類 | 例 | 前提 | 損失の損益通算(相殺) |
1 | 給与所得 | 給与、賞与、役員報酬 | 所得は+しかない | |
2 | 不動産所得 | 不動産賃貸収入 | 所得は+も-もある | できる |
3 | 事業所得 | 個人事業からの利益 | 所得は+も-もある | できる |
4 | 配当所得 | 株式の配当金 | 所得は+しかない | |
5 | 退職所得 | 退職金 | 所得は+しかない | |
6 | 利子所得 | 債券の利息 | 所得は+しかない | |
7 | 譲渡所得 | 不動産、株式の譲渡収益 | 所得は+も-もある | できる |
8 | 山林所得 | 山の木を売った時の収入 | 所得は+も-もある | できる |
9 | 一時所得 | 懸賞やクイズの賞金 | 所得は+しかない | |
10 | 雑所得 | 上記以外全て | 所得は+しかない |
但し、この場合でもマイクロ法人の副業の損失を「マイクロ法人の他の収益と」相殺できるのであって、サラリーマンの給与所得との相殺はできません。相殺可能なのは、例えば法人で同時に株式を保有した場合に発生した配当金の利益や売却益等です。なので、マイクロ法人は株式投資等の資産運用会社との親和性が高いと言えます。
副業サラリーマンがマイクロ法人を作るデメリット
マイクロ法人から役員報酬を支払うことで、社会保険料のマイクロ法人負担分が新たに発生してしまううことが最大のデメリットです。 ざっくり言うと、役員報酬額の約15%がマイクロ法人負担分の社会保険料になります。
また、マイクロ法人からの報酬の受取り方次第では、副業バレの可能性が高まるのもデメリットです。
なお、マイクロ法人の一般的なメリットデメリットはこちら(マイクロ法人のメリット・デメリット)
副業バレの確率 ~バレるルート別~
利益還元方法 | 副業バレの確率 | 副業バレのルート |
1 役員報酬 | 高 | 二以上事業所勤務届 |
2 配当 | 中 | 所得額が増えることで翌年の住民税が上がる |
3 一切払わない | 低 | 会社のHPや登記 |
副業バレのルートは主に上記3つです。
役員報酬でバレる
会社を設立して副業の収入をいったん会社につけ、その後役員報酬で自分に還元する方法を取ると、年金事務所(会社が健康保険組合に加入している場合には組合にも)「二以上事業所勤務届」を提出することになるので、ほぼ確実に会社にバレます。
配当でバレる
役員報酬はなしにして、配当で還元すれば社会保険に加入しないので二以上事業所勤務届も提出しなくていいです。しかし、配当の所得分住民税は上がるのでバレる可能性は上がります。
一切払わない
バレる可能性は殆どないですが、HPを作っていたり登記をしていれば何らかのきっかけで偶発的にバレてしまう可能性があります。
サラリーマンは副業収入がいくらからならマイクロ法人にしていいか
サラリーマンがマイクロ法人を作って副業をする場合、副業の所得が最低でも2千万円程度は欲しいところです。なぜなら、それくらいの所得がないと、デメリットである追加の社会保険料の発生をカバーできないからです。
もちろん、他に欠損金の繰越期間を長く使いたい等の節税メリットがあるので全くメリットがないわけではないですが。基本的には、サラリーマンが副業を法人化する場合は、その会社を大きく伸ばすことが前提になります。
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