金融所得にも社会保険料が。また実質増税

自民党と厚生労働省が金融所得に保険料をかけることを検討し始めたようです。

自民党・厚労省が検討する「金融所得で保険料アップ」の悪手 「社会保険料は税金じゃない」の理屈で新NISAの配当金も標的になる可能性(マネーポストWEB) – Yahoo!ニュース

今までは株の配当金や株式譲渡益については20.315%の源泉分離課税を払うことで確定申告不要とし、これら金融所得については保険料の計算対象から除かれていました。

将来的にこの株の配当金や株式譲渡益についても保険料の計算の対象に加えようという目論見です。

今のところ、NISAは従来通り保険料計算の対象外になる予定ですが、これもいつまでそうなのかはわかりません。

誰が影響を受けるのか

最終的にこの改正が実施された場合に影響を受けるのは、会社員や役員などの給与所得者ではなく、自営業者などの給与以外の所得で生活している人(国民健康保険加入者)になります。

会社員・役員

なぜならば、会社員や役員は基本的にはいわゆる社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しているからであり、給与額をベースに保険料が決まってくるからです。

このため、会社員・役員は改正により金融所得が加わっても基本的には社会保険料の計算のベースは変わらず、影響は受けません。

自営業者

これに対して自営業者などは事業所得をはじめとした所得トータルをベースに保険料(国民健康保険料)が決まってきます。

今までは金融所得を確定申告の対象外とすることができたので、所得の総額を減らすことができ、金融所得の分だけ保険料がかからなかったわけです。

しかし、将来的にこれが認められなくなるかもしれません。

どうすればいいのか

結局のところ、給与をベースに社会保険料が計算されるようになればいいわけです。

例えばマイクロ法人を設立し、そこの役員に就任するなどすれば役員報酬をベースに社会保険料金額が決まってくるので、今回の改正の影響は受けません。

ここ最近政府は、子育て支援金等、本来であれば税金によって徴収しなければならないものまで何でもかんでも社会保険料という名目で徴収しようとしてきます。社会保険料は国会で法律を変える必要もなく官僚の裁量で増加することが可能だからです。また税金名目での徴収となれば「増税」という言葉で大きく批判を受けることがわかっているからです。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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