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役員報酬の決め方の注意点①(社会保険の等級)
役員報酬を決める上で、社会保険の等級について注意しなければいけません。
なぜかというと、社会保険料の決め方は、レンジのある報酬月額のどれに当てはまるか決めて、そこから導き出される標準報酬に対して何パーセントという形で保険料が決まるからです。
例えば毎月の役員報酬が132,000円だったとします。 132,000円は以下の表の報酬月額130,000円以上138,000円未満に当てはまりますので、10 等級となり標準報酬月額は134,000円になります。
このようにして求められた標準報酬月額134,000円に対して。例えば、健康保険料の9.81%(40歳未満の場合)または11.45%(40歳以上の場合)をかけて健康保険料が決まります。厚生年金保険料についても同様の計算の仕方です。
この計算の方法では、月額の役員報酬が130,000円の人も137,999円の人も同じ10等級の標準報酬月額134,000円として評価されることになります。
言い換えれば月額の役員報酬が130,000円の人も137,999円の人も同じ額の社会保険料を負担しなければならないということです。
月額の役員報酬が130,000円の人が負担する健康保険料と厚生年金保険料の合計額は、 7,671円+12,261円の合計19,932円/月になります( 40歳以上)。
月額の役員報酬が137,999円の人が負担する健康保険料と厚生年金保険料の合計額は同じく19,932円/月になります( 40歳以上)。
月額の役員報酬が130,000円の人の給与に対する社会保険料の比率は15.3%に対し、月額役員報酬が137,999円の人の社会保険料の比率は14.4%です。給与に対する社会保険料の率が1%近くも変わってきます。なおこれは個人負担分だけの数字ですので法人負担分も含めればこれの2倍、1.8%も差がでます。
月額の役員報酬が13万円だとその差の大きさに気付かないかもしれませんが、例えば月額の役員報酬が35等級、65万円だと、大きな違いがあることに気がつくと思います。
35等級だと、 635,000円以上665,000円未満の月額報酬の人がここに入ります。保険料は96,687円です(個人負担分のみ。法人負担分を含めればこの倍)。もし月額役員報酬を664,999円に設定した場合、月額役員報酬を635,000円に設定した人よりも、年額で36万円分だけ社会保険料がかからずに役員報酬を払うことができます。
この差は意外に大きいですもし36万円分を追加で別途役員報酬を支給する場合そこに(個人負担・法人負担の合計で)約30%の社会保険料がかかってきます。その場合、年間で約11万円近くも追加の社会保険料がかかってしまうわけです。
等級を意識するかしないだけで年間で10万円近くも差が出てしまうのです。これを10年続ければ100万円の差が出るわけです。
役員報酬を決定するときはぜひ等級を意識してみてください。
参考までに協会けんぽの東京の保険料率の表のページへのリンクを貼っておきます。
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