- ホーム
- STEPN(ステップン)
- STEPN(ステップン)の税金
STEPN(ステップン)の税金
1.税務上の扱いの現状
(1)明確な税額計算方法はない
STEPNの税金の計算方法は、現時点では確定した方法は存在しておりません。
このため、インターネット上の検索上位結果に表示されるサイトではSTEPNの税金の計算の方法についてさまざまな処理方法が提案されています。
それらはどの方法も正確だし、理論的な方法だと思います。しかしながら、ゲームをプレイしているのにもかかわらず、その最中に正確なプレイデータの履歴を取るというのは現実的ではないと思います。何よりプレイ中にプレイデータの履歴(取引履歴)をいちいち取っていてはゲームを楽しめないとおもいます。
かといって、STEPNで年間に何100万円も利益を獲得するような、ある意味事業的なプレイヤーにとっては取引の履歴をつける必要もあると思います。
ほとんどのインターネット上の検索結果で上位に表示されるサイトにおいては、こういったプレイヤーの性格を場合分けすることなく、一緒くたに、あるべきの計算方法が適用されるべきとして計算方法が紹介されていることが不安の原因なのだと思います。
(2)ほとんどのプレイヤーは利益が数万円程度では?
また、現実問題としてSTEPNではラン報酬のGSTを得たとしても、レベルアップやリペアのためにすぐにGSTを消費しなければならず、GSTをSOLANAに交換して相当額の利益を獲得するということは、一般的なプレイヤーにとっては難しいのではないでしょうか?私自身も一つのスニーカーをレベル9までレベルアップさせましたが、それまでにラン報酬で獲得したGSTを全て消費してしまって実際にSOLANAに交換できたGSTはゼロです(つまり、利益ゼロ)。
そのような一般的なプレイヤーに対してまで正確な税金の計算をするべきということが、はたして本当に意味がある事なのだろうかと疑問があります。
そこでプレイヤーの性格や獲得した利益の金額、許容できる税務リスク等に応じて、どのような対応をするべきかをフローチャートにしました。
ご自身が全体の中のどのポジションに当たるのかを確認していただくのに役立てば幸いです。
2.フローチャート
上記フローチャートは、STEPN以外に総合課税の雑所得(年金等)が存在しないサラリーマンを念頭に置いています。つまり、現役の会社員をイメージしてください。また、NFTの売却益は雑所得であることを前提としています(譲渡所得とする考えもあります)。
まず 自分でざっくり GSTの純利益とスニーカー等のNFTの売却純利益の合計を計算します。
この額がいくらになるかによって3つに分岐します。
3.利益が0~20万円のケース
ここで注意が必要なのは、利益が0円から20万円の間で微妙に発生したケースです。 ほとんどの人がこのケースに当てはまるのではないのかと思います。フローチャート上は、仮に70%の人がこのケースに当てはまると想定しています(完全に個人の主観です)。
一年間に20万円以上の雑所得が発生した場合、税務署に確定申告が必要なことはご存知の方は多いと思います。しかし雑所得が20万円未満であった場合は、税務署に申告は不要ですが、市区町村への申告が必要になります。
ただし、住民税率は一律で10%のため、20万円以下の雑所得にかかる住民税は数千円~ 2万円未満になります。たかだか数千円から1万数千円の住民税のために、年間の取引記録に基づいた複雑かつ正確な計算を行う必要はないので(仮に正確に計算しても元の額が大きくないので大差がでない)、簡便な計算方法でよいと思います(簡便な方法は別途説明します)。
4.利益が20万円以上のケース
一年間に20万円以上の雑所得が発生した場合、税務署に確定申告が必要になります(市区町村への申告不要)。しかしながら、このケースに該当する人はかなり珍しいと思います。なぜなら、STEPNで20万円以上の利益を捻出しようと思えば、相当な額の投資が必要になってくるからです。このため、フローチャート上では、このケースに該当する人は全体の10%程度と想定しています。
さらにこの10%の中でも、 日々の取引(ラン報酬、レベルアップ、リペア等)の日付・金額を記録している人はさらに少ないと思います。
(1)日々の取引履歴を記録していないケース
この場合にはそもそも正確な計算をすることが根本的に不可能です。このような場合はある程度税務リスク(=後に税務調査で指摘を受けるリスク)を許容できるかどうかによって、対処法は二つのやり方に分かれると思います。
①ある程度税務リスク許容できる場合は、3.と同様に簡便な計算方法で対応するしかありません。もちろん取引の履歴がなく、正確ではありませんから、のちのち税務調査で指摘される可能性があります。
②一方、税務リスクを許容することができないという場合は、年末にゲーム内の通貨(GST,GMT)とNFT(スニーカー、ジェム等)を全てSOLに交換するという方法で対処するしかありません。そうすれば、ゲーム開始時のSOLの金額とゲーム終了時のSOLの金額の増減によって確定利益を計算することができます。ただし、この方法の最大のデメリットは税金の計算をするためだけに、わざわざゲームをいったん精算しなければならないという点です。税務リスクがかなり低くはなりますが、そのために今までゲーム内で育ててきたスニーカー等を一旦手放さなければなりません。
(2)日々の取引履歴を記録しているケース
日々の取引履歴を記録している場合は、正確な税額を計算をすることが可能です。
①ただし、取引履歴があったとしても、複雑な計算を行うことが嫌だとか、多少税務リスクを許容できないという場合は、4.(1)②と同様に、年末にゲーム内の通貨(GST,GMT)とNFT(スニーカー、ジェム等)を全てSOLに交換するという方法で対処します。
②もし、複雑な計算を行うことが可能かつ、多少税務リスクを許容できる場合は、取引データを基に正確な計算を行えます。このケースが、インターネット検索で上位に表示されるサイトの多くで紹介されている正しい計算方法です。上位サイトで解説している正しい計算方法というのは、かなりレアなケースを前提としているということです(おそらく、STEPNプレイヤー全体の2%くらい)。
5.利益がマイナスのケース
利益がマイナスの場合は基本的に確定申告は不要です。ただし、確定申告で他に何らかしらの還付を受ける場合は申告が必要になります。
6.まとめ
いきなり正しい計算をしようと思ってもかなり複雑なので、一般的なプレイヤーにはなかなか難しいと思います。そのような場合は本記事のように、段階を踏んで、かつケース分けして各人の税務リスクに応じた計算方法を採用するべきだと思います。そうでないと、それほど高くない税務リスクのために多額のコストを費やすことになり、費用と効果のバランスが悪くなるからです。
簡便な計算方法については、別記事で解説します。なお全プレイヤーの2%が該当するであろう正確な方法は本ブログでは割愛しますので、他の会計事務所等のサイトをご確認ください。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。