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STEPN(ステップン)の税金の簡便な計算
注意! 本記事は2022年6月時点で書かれた内容ですが、その後2023年1月13日に国税庁より「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」が公表されております。その中で正式に国税庁が認める簡便法が例示されていますので、そちらをご参照ください。
前提
前回の記事で、STEPNの税金の計算方法として、大きく3つあることを述べました。前回の記事を読んでない方は、そちらも読んだ方が良いと思います。
所得の計算方法 | 税務リスク | 手間 | プレイデータの記録 | その他 |
---|---|---|---|---|
正確な方法 | 中 | 多 | 必要 | ネットで多くのサイトが解説している方法。 |
簡便な方法 | 大 | 少 | 不要 | |
年末にゲーム内の通貨(GST,GMT)と NFT(スニーカー等)を全てSOLに交換する | 小 | 中 | 不要 | ゲームを一旦精算することになる |
今回は、簡便な方法について、その1例を挙げてみたいと思います。
なお、簡便な方法といっても、法令等で認められた方法は現時点(2022年6月)では存在せず、個人的に取引履歴が無い場合に考えられる計算方法を提案するだけのものです。他の計算方法に比べれば、それなりに税務リスクが高いので、各自の税務ポジション、かけられる手間、プレイデータの記録の有無との兼ね合いから総合的な判断をした上で自己責任でお願いします。なお、簡便な計算方法では、STEPN内で発生する所得を全て雑所得と仮定しています。
設例による解説
事例
① 仮想通貨取引所で、300,000円で20SOLを購入した。 当該SOLは全額STEPNのウォレットに送るとともに、直ちに全額スペンディングに移管した。
② STEPN内でスニーカー1つを?(*)SOLで購入した。(*)金額と日時の記録はしていないので「?」とする。
③ 毎日ラン報酬としてGSTを得たが、報酬額と日時の記録はしていない。
④ スニーカーのリペアをしGSTを消費したが、修理費と日時の記録はしていない。
⑤ レベルアップのために?GSTを消費したが、日時の記録はしていない。
⑥ 仮想通貨取引所で、180,000円で30SOLを購入した。 当該SOLは全額STEPNのウォレットに送るとともに、直ちに全額スペンディングに移管した。
⑦ STEPN内でスニーカーを?SOLで売却した。売却額と日付は記録していない。
⑧ 年末にSTEPNのウォレットとスペンディングを確認した所、60SOLと100GSTが残っていた。 最後にプレイした日のGSTの時価は@30円だった。
今年初めてSTEPNを始めた人が、今年上記取引(プレイ)を行ったとします。
SOLの所得計算
取引所でのSOLの購入やSOLのSTEPNへの送金などは、取引所で必ずデータとして残っているはずなので、簡便な計算方法ではこれらの残っている取得可能なデータをベースに損益の計算を行ないます。
上記ボックス図の左半分はSOLの取得を表し、右半分は取得したSOLが期末にいくら残ったかと、差し引きで期中の増減を表します。
まず、期中のSOL購入データから、原則である総平均法でSOLの取得単価を求めます。年間購入金額合計で50SOL・48万円なので、総平均法による平均取得単価は@9,600円/SOLとなります。
期末に60SOLが残っていたとのことなので、SOLの期末残高は576,000円(=60SOL×@9,600円/SOL)となります。
差し引き計算で、SOLの純増加額は、96,000円(=期末576,000円ー開始時480,000円)となります。
このSOLの純増加額96,000円がSOLの課税所得(雑所得)となります。
GSTの所得計算
GSTの計算はもっとシンプルです。
GSTは獲得したらすぐに消費してしまうので 期中の増減は追跡しません(期中の履歴を追跡すると大変)。
単純に期首と期末のGSTの増減で損益を計算します。
期末に残ったGSTは、直近のプレイで獲得した 報酬から主に構成されていると考えられるため、最後にプレイした日のGSTの時価で評価します(最終仕入原価法のイメージ)。
単にプレイした日のデータだけであれば、STEPNのRunning Recordから確認することができます(ラン報酬やリペア費等は分からない)。
期末に100GSTが残っていたとのことなので、GSTの期末残高は3,000円(=100GST×@30円/GST)となります。
差し引き計算で、GSTの純増加額は、3,000円(=期末3,000円ー開始時0円)となります。
このGSTの純増加額3,000円がGSTの課税所得(雑所得)となります。
簡便な方法による所得計算の結果
最終的に、この年の雑所得は99,000円と計算できました。
内訳は、SOLが96,000円、GSTが3,000円です。
雑所得が20万円以下なので、基本的には税務署への確定申告は不要です。
ただし、市区町村への住民税の申告が必要です。税率は10%なので、9,900円分税額が増えます。
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