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もし、個人事業税の対象事業ではないのに事業税が課せられていたら

以前書いた記事で、「個人事業税の「事業内容に関する回答書」に注意」というものがあります。
この記事では、「こういった回答書が都道府県税事務所から届いたら注意してください。」という内容でした。まだ個人事業税が課せられていない人が、この回答書に注意して回答してほしい旨の記事でした。
しかし、実際に既に個人事業税が課せられていて、かつ本来は個人事業税が課せられるべきかが不透明な人はどうすればいいかについては言及していませんでした。
そこで、今回は具体的に、既に個人事業税が課せられていて、かつ本来は個人事業税が課せられるべきかが不透明な人がとるべき対応について解説します。
まず本当に個人事業税が課せられるべき事業なのかどうかを確認する
個人事業税は、法定業種というものに該当すると所得に3~5%の税率が課せられるというものです。パーセンテージは業種によって異なりますが、5%になるケースが多いです。東京都なら70種類くらい業種があります。
前回も指摘しましたが、法定業種のうち、「請負業」というくくりが曖昧で解釈の余地があります。
この解釈の余地を埋めていくのが例の「事業内容に関する回答書」です。
既に個人事業税が課せられている人は、まず自分の仕事の受注に関する契約書を確認してください。
その契約書が、「準委任契約書」「請負契約書」「業務委託契約書」なのかを確認します。
準委任契約書の場合
契約書のタイトルが「準委任契約書」であれば(その中身もタイトル通りである限り)、あなたの事業は「請負業」ではないので、当局の課税判断が誤っている可能性が高いです。当局に電話して課税が誤っている旨を伝えてください。その際、当局側が判断に誤りがあったのかどうか審査します。この時に、契約書コピーをファックス等で当局に提出を求められるので、契約書は非常に重要です。
請負契約書の場合
契約書のタイトルが「請負契約書」であれば(その中身もタイトル通りである限り)、あなたの事業は「請負業」なので、当局の課税判断が正しい可能性が高いです。
業務委託契約書の場合
契約書のタイトルが「業務委託契約書」であれば、タイトルだけでの判断が難しいので、契約書の具体的な内容に踏み込んで検討します。
契約書の条文の中で、「準委任」か「請負」の文言を探し、それが見つかれば当該業務委託契約は「準委任契約」か「請負契約」のいずれかと判断できます。
もし、その文言のいずれもない場合は、実質的に「準委任」か「請負」かを判断していきます。この検討は、「事業内容に関する回答書」と殆ど同じになります。
すなわち、契約が本質的に、時間の切り売り(準委任)なのか成果の納品(請負)なのかを判断していきます。この場合は、事前に契約書から準委任の要素をできるだけピックアップします。また、契約書だけでは不足するなら他の証拠(メールのやり取りやタイムレポート等)も準備して、より準委任側に寄っていることを示す根拠を集めます。その上で当局に電話し、請負ではないことを主張します。集めた証拠はあとで提出が求められる可能性があります。
当局側の抵抗
当局側がいったん課税と判断したものを覆すことになるので、相当な根拠がないと反論されてしまいます。当局側の主張として、「事業性があると判断したから課税した」というキーワードがよく出てくると思いますが、「事業性の有無」は「請負業」かどうかとは関係がありません。準委任に基づく業務委託契約でも事業性はあるわけで、この場合は事業性があっても事業税がかからないのですから、当局側の主張はピントがずれていると思います。ポイントは、「請負業」に該当するかどうかです。
ほとんどの方は、当局側の主張があたかも正当かのように思ってしまうかもしれませんが、実際には当局がいつも正当な主張をしているわけではありませんので、自信を持って主張してください。
既に回答書を提出済みで、事業税が課せられていても大丈夫
過去に回答書を提出していて、その結果個人事業税が課せられている人は、もう結論を覆すことができないのかと思ってしまうかもしれませんが、そのようなことはありません。
回答書は、その目的が曖昧なまま納税者に送られている場合もあり、ある意味トラップ的な文書です。よくわからず回答してしまっていても、回答はしょせんは回答です。契約書などの物的証拠を提出すればそちらが正しいのは自明ですから覆すことは可能です(実際に、私の顧問先の課税判断を覆させたことがあります)。
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