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マイクロ法人の作り方
個人の実印を作成し印鑑登録する
まず個人の実印を作成します。意外と知られていないと思いますが、会社を作るためには個人の印鑑証明書が必要なので、まず個人で実印を作成して役所に登録する必要があります。昨今はハンコ社会から脱却の流れですが、ここは変わりません。印鑑を作成するの数日時間がかかるので、先に印鑑を発注してしまいましょう。特にこだわりが無いならネットのハンコ屋で買える数千円の安いもので構いません。発注して完成を待っている間に次に進みましょう。
設立の前に決めるべきことを決める
法人を作る前にまず、決めなければいけないことを決めてしまいましょう。いちいち設立作業をしながら考えていては、その都度作業がストップしてしまい効率が悪いからです。また、作業の途中で悩んでしまうと、十分な調査時間が確保できないまま勢いで決めてしまう恐れがあるからです。
ここで決めた事項は、定款や登記に記載する事項になります。
合同会社か株式会社か
まず法人の形態として、合同会社(LLC)か株式会社かを決める必要があります。こちらに関しては別記事「マイクロ法人にとって合同会社(LLC)と株式会社のどちらがいいか」で詳細を解説していますので、ここでは割愛しますが当面1人で運営するマイクロ法人なら合同会社でいいでしょう。
商号(会社の名前)
商号を決める際、あまりにも同じ名前の会社が多いとインパクトがなかったり、紛らわしかったりすると厄介なので、事前にインターネットで検索をして希望の商号が他の会社で使われているかどうかをチェックしておきましょう。もし、いかがわしい事業等にその商号が使われていると、会社を作った段階から自社の風評が悪くなってしまいます。他にも、その商号で既に登録されているかは、国税庁法人番号公表サイトで調べることができます。必ず事前にチェックしましょう。
本店住所(バーチャルオフィス or レンタルオフィス or 実家 or 自宅)
本店住所は登記する事項です。マイクロ法人ならコストが安い(安ければ月500円~)バーチャルオフィスがお勧めです。但し、「バーチャルオフィスで起業する場合の注意点」でも述べた通り、いくつかデメリットもあるので注意してください。
レンタルオフィスでもいいですが、家賃が月数万円かかるので資金に余裕のある方以外にはお勧め出来ません。
実家(所有物件)はほぼ無料になる点がいいですが、本店登記住所で税務署や法務局の管轄が決まるので、実家が通いと不利になることも多いです。また、実家に届いた郵便の転送に時間とコストがかかるので注意が必要です。
自宅があるならいいのですが、賃貸物件ではダメです。基本的に賃貸物件は法人登記が契約で禁止されているケースがほとんどなので、自己所有が前提になります。
事業内容
事業内容も登記事項です。よくなんでもかんでも事業内容として登記する会社がありますが、これは止めたほうがいいです。なぜなら、あまりにも多くの事業を書いた場合、設立後銀行口座開設の審査で不利に働くからです。これは、銀行の審査で「結局何をやっている会社か分からない」と判断されるからです。また、マネーロンダリングに関連するような「投資事業」等も、本当に投資事業をやる気があれば別ですが、そうでないなら書かない方が無難でしょう。
資本金と株数
資本金は1円でも可能ですが、税金面を考えれば1,000万円未満がいいでしょう。1円以上1,000万円未満で、出来るだけ信用を得られやすい額にするといいです。具体的には、100万円~300万円といったところでしょうか。もし、資金に余裕があるなら900万円台でもいいでしょう。
株数(発行可能株数)はマイクロ法人ならキリのいい1,000や100等の数値でいいです。どうせ譲渡することもないからです。なお株式譲渡制限は上場会社以外は付けるのが通常です。
決算日
基本的には消費税の免税期間を最も長くとれるよう、1期目が12か月に近くなるように設定するのが定石です。ただし、3月決算だけは避けた方が無難です。というのも、日本では3月決算は数が多く、3月決算にすると決算の時期が他社と重なってしまい、税理士等からのサービスが受けにくいからです。決算期が他の会社と異なるというだけで少し安くしてくる会計事務所もあるようです。
役員の任期と取締役会の設置の有無
合同会社の場合は役員の任期はないですが、株式会社は役員の任期は最長10年です。株式会社にした場合は最長にしましょう。マイクロ法人なら、取締役会の設置は不要です。マイクロ法人なら1人で全て決定できるので、簡単に株主総会を開催、決定できます。
法人の印鑑を作成する
法人の印鑑は、一般的には(1)代表印(実印)(2)銀行印(3)角印(認印)の3つが必要と言われています。しかし、マイクロ法人であれば請求書等を社外に出すこともあまりないと思われるので(3)角印はなくてもいいでしょう。ネットで合計1万円以下で揃えられます。
定款を作成し、公証役場で認証してもらう
定款はインターネットで雛形を拾ってきて自分で作ることもできますが、freee会社設立等の無料のサービスを使うことを強くお勧めします。一連の手続を司法書士に依頼することも可能ですが、専門家への料金だけで10万円くらいかかるからです。以下は、freee会社設立を使う事を前提に説明します(司法書士に作業を依頼する場合は司法書士が教えてくれます)。
定款を作成する場合、電子と紙のいずれかを選ぶ必要がありますが、電子定款一択でしょう。電子だと印紙代4万円がかからないからです。電子なら作成も楽です。freeeを前提にするとサイト内で行政書士に電子定款の作成を5千円で依頼できます。電子定款を自分で作成するのは困難なので、ここは素直に依頼しましょう。紙定款で4万円払うよりは、電子定款で作成を依頼して5千円払う方のが最も楽でコスパがいいです。
freeeの指示に従い、印鑑証明書や身分証明書の写し等をサイトにアップするだけで行政書士が作業を進めてくれます。定款が出来上がったら、必要書類と現金(株式会社なら定款認証代5.2万円強)を公証役場に持っていくだけです。以下のように持ち物リストや近場の公証役場も指示してくれます。委任状等もサイト内でほぼ自動で作成してくれるので、必要な作業は印刷とホッチキス止めくらいでしょう。
資本金を払い込む
マイクロ法人の場合1人で設立するので、自分(個人)で自分(個人)の口座に資本金を振り込むことになります。一見すると意味がある行為とは思えませんが、必須の作業なのでやりましょう。この後で登記する際に「ちゃんと資本金がありますよ」という証拠を作る作業になりますので重要です。
登記申請をする
サイト内の指示に従い登記書類を印刷し、ホッチキス止めして押印すればOKです。法務局に印刷した必要書類と登録免許税の現金(株式会社は15万円、合同会社は6万円)を持っていけば完了です。
まとめ
どうでしょうか。印刷とホッチキス止め手続は確かに面倒ですが、これで専門家に依頼する10万円が浮くなら安いと思います。定款や登記は今後会社を運営する上で理解しておくべき重要事項なので、一連の作業は自分でやっておいて損はないと思います。
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