生成AIで税金に関する質問をする際の注意

chatGPTをはじめとする自然な言葉で質問に答えてくれる生成AIが広く利用されるようになりました。

ただ、一般的に、生成AIがウソをつく(or間違える)ことはよくあることとして認識されています。

こと税務に関することを生成AIに質問する際には注意が必要です。

生成AIは間違ったことを自信満々で回答したうえ、さらに最近はソース(根拠条文や根拠となるサイト)もつけて回答します。

ソースがあるので信じてしまうかもしれませんが、ソース自体が質問とは関係のない条文だったりすることもあります。

以下は、私がchat GPTでいわゆる賃上げ税制(所得拡大促進税制)について質問した際の、chatGPTの回答です。

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これによると、中小企業者等が賃上げ税制の適用を受けるためには、「継続雇用者給与等支給額」が前年度比2.5%以上増加することが要件となっています。

しかし、正確には「雇用者給与等支給額」が前年度比2.5%以上増加することが要件 です(ちなみに、chat GPTの回答は中小企業者等部分だけでなく、中堅・大企業の部分も誤りがあります)。

継続” という言葉が付くか付かないかという些細な誤りかもしれませんが、この言葉の違いは重要です。

「継続雇用者給与等支給額」とは、前年度にいた雇用者に、今年度に支給した給与等の額をいいます。

「雇用者給与等支給額」とは、前年度にいたかどうかは関係ないので、単に支払った給与の額をいいます。

「雇用者給与等支給額」を2.5%増加させるためには、新しく人を採用すればいいので比較的簡単に達成が可能です。しかし、「継続雇用者給与等支給額」は新規採用では条件を満たさないので、純粋に既存従業員の給与の増加額という意味になり、達成は簡単ではありません。

chat GPTからすれば、このような単語の違いは大した意味と理解してないかもしれませんが、実務上は重要な違いになります。

しかし、誤りがあるからといって生成AIが全く使えないということはありません。

使う際に、「どこかに誤りがあるかも」と疑いながら使用すればいいのです。

以下ではchatGPTにツッコミを入れた場合のやり取りです。

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このように、ちゃんと誤りを指摘すれば直して訂正をしてくれます。

ただ、誤りを指摘するためには、回答の何が正しくて何が誤っているのかを判断できる必要があります。

それは、質問者自身があらかじめ正しい回答を想定できるだけのリテラシーがあることを前提としています。

つまり、全くの税金の知識がない人が生成AIを使っても、結局は使いこなせないということです。

生成AIに税金の質問をする場合は、ある程度の勉強をしてからにした方がいいでしょう。

勉強をするのも時間と労力と費用がかかりますので、それらを負担するのが嫌な場合は専門家に相談した方が早くて確実だと思います。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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