マイクロ法人はネット銀行の口座だけでは不便

労働者

マイクロ法人を設立した場合、まずはネット銀行に口座を開設すべきことは別記事(バーチャルオフィスのデメリット1.銀行口座の開設が難しい)で述べました。

ただし、ネット銀行には以下の限界があります。

基本的にネット銀行では税金や社会保険料が払えない

意外かもしれませんが、基本的にネット銀行の口座からは税金や社会保険料の納付ができません注:20223年3月時点では、ペイペイ銀行とGMOあおぞらネット銀行だけがペイジーに対応できています。)。

ネット銀行の口座を持っていても、税務署や年金事務所の口座に振込をすることが出来ないのです。それだけなく、自動引き落としをすることもできません

では、ネット銀行にしか口座がない場合はどうすればいいのかというと、例えば税金であれば通帳と納付書と振込依頼書に必要事項を記入し、銀行印を押して、これを銀行の窓口まで持っていって処理してもらいます。銀行での作業だけで15分~30分くらいはかかります。移動時間も含めると1時間かかることもザラです。

税金をクレジットカード又はデビットカードで納付することも可能ですが、納付額に対して約0.8%の手数料がかかってしまいます。いくらポイントが付与されるといってもこれではポイントもほとんど意味がないですし、カードのポイント付与率によっては損になる場合も多いと思います(法人のクレジットカードのポイント付与率は個人のそれほど高くないことが多い)。

また、社会保険料の納付は毎月発生しますので、いちいち窓口で納付していると大変です。

では、どうすればいいのかというと、メガバンクか地方銀行、信金等のリアル店舗がある金融機関で口座を開設するしかありません。その上で、銀行とネットバンキングの契約を結び、ようやくネット上での税金・社会保険料の納付が可能になります。

ただし、通常ネットバンキング契約は有料で、大体安くても毎月1,000円、高ければ毎月3,000円固定費がかかってしまいます。

リアル店舗はどの銀行がいいか

できる限り銀行関連のランニングコストは下げたいところです。

個人的におススメなのが、三井住友銀行です。私自身も使っています。

三井住友銀行はメガバンクですので、バーチャルオフィスでも口座開設が可能です。

その上、Web21ライトというネットバンキングのプランなら、無料で税金や社会保険料の納付が可能です。私の知る限り、2022年4月初旬時点で、条件なしで無料で使えるネットバンキングを提供している銀行は他にありません。なお、横浜銀行も一定の条件の下で無料でネットバンキングを使えます。ただ、バーチャルオフィスだと開設が難しいでしょう。

1つ欠点があるとすれば、Web21ライトの契約だと予約振込ができない点が難点です。つまり、当日振込しかできない点です。ただ、必ずしも期日ギリギリに税金・社会保険料を納付する必要はないので、期日前だけど払える時に払えばいいと思います。通常、取引先への外注費等の振込の場合は期日を指定して予約振込を設定する必要がありますが、これはネット銀行を使えばいいでしょう。

ネット銀行+三井住友銀行のWeb21ライトプランで、ランニングコストゼロでネットバンキングを使いこなしましょう。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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