小規模会社が株式投資型クラウドファンディングでの資金調達は可能か

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株式投資型クラウドファンディングとは

最近株式投資型クラウドファンディングという言葉をよく聞きます。

通常のクラウドファンディングは、主催者が何らかのイベントを企画して、それに協力して資金を提供すると、見返りとして商品やサービスが提供されるというものです。

株式投資型クラウドファンディングも基本的には同じですが、出資者が企画者に資金を提供した際、見返りとして企画者が株式(又は新株予約権)を発行する点が異なります。

要するに、資金を集めたい会社が株式を発行して資金調達をすることです。

株式投資型クラウドファンディングは、上場会社とやっていることはほとんど同じなのですが、上場会社と異なり、募集金額に制限がある点(出資は1人が1社に対して年間50万円まで。会社の募集額は年1億円まで)や、出資者が購入した株式は売却・換金が困難という点で大きく異なります。

上場会社での資金調達株式投資型クラウドファンディング
出資者側の見返り株式&株主優待株式&株主優待
出資者側の出資限度なし1人1社に年間50万円まで
会社側の募集限度なし年間1億円まで
出資者側の換金容易性容易(市場で売却)難しい
上場会社と株式投資型クラウドファンディングの違い

株式投資型クラウドファンディングでの資金調達は難しい?

日本証券業協会が公表している、株式投資型クラウドファンディングに関する統計データ(2022年3月公表)によりますと、2017年から2022年2月までで累計で90億円近くの資金調達が実行されたようです。

2017年から2022年2月までの株式発行による資金調達は318件で、そのうちの約73%を(株)ファンディーノが占めています。

プラットホーム 2017 2018 2019 2020 2021 2022 総計
SBI キャピタルベース       1     1
イークラウド       2 8   10
キャンプファイヤスタートアップ 5 8 3 7 16 2 41
ユニコーン     1 13 18 2 34
ファンディーノ 18 38 54 52 61 9 232
総計 23 46 58 75 103 13 318

プラットフォーム別の資金調達失敗件数と失敗確率を見ると、以下の通りです。

失敗件数の推移

プラットホーム 2017 2018 2019 2020 2021 2022 総計
キャンプファイヤスタートアップ   3 2 3 8 1 17
ユニコーン       4 7 2 13
ファンディーノ 2 9 20 13 9 6 59
総計 2 12 22 20 24 9 89

失敗確率の推移

プラットホーム 2017 2018 2019 2020 2021 2022 総計
SBI キャピタルベース             0%
イークラウド             0%
キャンプファイヤスタートアップ   38% 67% 43% 50% 50% 41%
ユニコーン     0% 31% 39% 100% 38%
ファンディーノ 11% 24% 37% 25% 15% 67% 25%
総計 9% 26% 38% 27% 23% 69% 28%

これらのデータからわかることは、株式投資型クラウドファンディングにチャレンジした会社の累積での失敗率は概ね28%程度なので、逆に株式投資型クラウドファンディングにチャレンジした会社の7割近くが調達に成功しているようです。

また、実際の資金調達額は、資金調達に成功(目標調達額に到達)した会社の平均で1社あたり約3千万円(=71億円÷(318社-89社))になっています。

このように統計データを見ると、株式投資型クラウドファンディングの資金調達はそれほど高いハードルではないように思います。実際にチャレンジしている会社を見ると、さすがにマイクロ法人レベルの会社はないものの、従業員数人レベルの会社もあるようなので、要は魅力的なビジネスモデルと高い技術力があればいいのではないかと思います。

但し、株式投資型クラウドファンディングを行う場合は、出資者にそれなりに高度な財務情報(BS、PL、CS3表連動の事業モデル作成等が必要)を開示しないといけない点が難点です。弊事務所でも支援できますので、宜しければお問い合わせください。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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