設立1年目から経営セーフティ共済に加入する方法

経営セーフティ共済(正式名称 倒産防止共済)は、通常は金融機関に口座を開設してから1年が経過しないと加入することが出来ません。

このため、設立1年目の会社は自動的に口座開設から1年未満になるので、金融機関で経営セーフティ共済の申し込みが出来ません。

しかし、これは金融機関経由の加入方法に限る年数制限なので、他の方法ならばこの制限はありません。

具体的に、設立1年目から共済に加入できる方法として、最も現実的な方法は顧問税理士を経由して加入する方法が挙げられます。

例えば、東京エリアだと東京税理士協同組合が経営セーフティ共済の代理店になっていますので、顧問税理士経由で東京税理士協同組合を経て経営セーフティ共済に加入を申し込むことができます。

この場合は、口座開設1年の縛りがないので、設立1年目の会社でも加入が可能です

また、税理士が加入申込者(会社)の素性を調べているという前提になるので、申込にあたり通常必要な納税証明書や登記簿謄本等の書類提出が不要になるというメリットもあります。

ただし、この方法のデメリットは加入申込書の流れがムダに煩雑になる点です。以下の図の通り、(経営セーフティ共済の取り扱い者である中小企業基盤整備機構を除き)4人が登場します。

経営セーフティ共済加入申込書の流れ(東京エリアの場合)

もし、加入者(会社)が自ら金融機関で加入申込をすれば登場人物は2人だけで済みます。にもかかわらず税理士協同組合を経由すると登場人物が増えて煩雑になります。

以上のことから、基本的には加入者自らが金融機関に加入の申し込みを行った方が良いかと思います。通常1年目はあまり多額の利益が出ないので、加入の必要性も低いでしょうから1年目は口座開設だけしておいて、2年目に申し込みを行うのが良いかと思います。

ただ、1年目の終わりが見えてきて、思いのほか多額の利益が出たので急遽経営セーフティ共済に入りたいと思った場合は顧問税理士経由で加入するというのが良いかと思います。

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著者:税理士 鈴木 康寛

マイクロクラウド会計事務所所長似顔絵

大手監査法人在籍中に上場準備企業に出向して上場準備業務に従事、上場に成功。その後、上場企業の財務経理部門を経て独立開業する。自らもマイクロ法人を設立した経験を活かし『全ての人にマイクロ法人を』をモットーにマイクロ法人の素晴らしさを啓蒙中。

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